CMrオピニオン
門前の小僧習わぬ経を読み続ける
株式会社JR東日本建築設計
プロジェクト開発本部 事業推進部長 山下 健
(株)JR東日本建築設計は東日本旅客鉄道(株)のグループ会社です。私は、鉄道施設やエキナカ商業施設等の少し特殊な建築設計業務を経験した後に、親会社に出向し、発注者の立場を経験しました。駅ビル、ホテル、オフィスビル等の、収益施設の開発に対してCMを導入する動きが盛んな時期でした。設計事務所出身の私でしたが、CM業務を発注する業務に関わりました。各CM会社の業務は、玉石混合、幅広く、教科書通りの業務がない、人間力を必要とする業務だと感じる日々が続きました。
約3年間、数十件の開発案件にて展開される様々なCM業務を見続け、門前の小僧となった私は、出向から戻り設計事務所所属にて、CM業務を実施することになります。インハウスエンジニアや設計者との関係は工夫が必要なところですが、数百~数十万㎡まで、
大小様々な案件で習わぬ経を読み、15年以上が経過し現在に至ります。
ご存じの通り、過去の受注者間競争が働いた買い手市場から売り手市場に変化した現在「競争」から「共創」にシフトする方向性は、親会社の発注者との共通認識です。一方で、CMとして発注者の側に立つ意味や、求められるCMとしての役割も変容しています。
発注者や社内チームと議論し、自問自答を繰り返す日々に、CMrオピニオンの執筆依頼を受け、手元にある機関紙各号の執筆内容を再読しました。一歩先、認識齟齬の解消、インハウスのCMr、のりしろ、ひたむきさ評価、父の仕事、四方良し、等々、数多くの意見を持ち、CM業務に邁進する皆様がいることを改めて認識することが出来ました。これからも引き続き、門前の小僧習わぬ経を読み続けていく所存です。