クリエイションとマネジメント
株式会社NTTファシリティーズ
プロジェクトマネジメント部 辻林 舞衣子
最近よく思うことがあります。CMとは何か。
私の最近の答えは、“クリエイションとマネジメントの間”です。コンストラクションマネジメントというように、CMは単なるマネジメントでなく、建築あるいは建設にまつわるマネジメントであるということ。発注者に寄り添いながら、設計者あるいは施工者ほか多くの関係者の間で躍動する先にアウトプットである建物の品質向上をゴールとするわけですが、そのアウトプットが社会に対してどのように影響するのか、にも責があると考えるのです。
私が意匠設計出身ということもあると思いますが、クライアントが発注者として示している与件以外に、将来にわたってその建物・施設が使われていくにあたり、費用だけでは測れない価値があると思います。
設計者からそういった部分まで踏み込んだ提案が出てきた時、より経済的にも建築的な影響の面からも発注者や利用者から理解を得やすいよう、時には設計者を支援しながら、より良いアウトプットに繋げられた時、CMrとしての充実感を感じています。
同級生や友人の建築家からは時に、CMって何をしてくれるの?と問い詰められることがあります。
設計者のエゴでむやみにコストアップするようなことがあってはなりませんが、丁寧にその意図や社会的意義を紐解いた時、本当に必要とされる価値であれば認め、あるいはNGの判断もしながら施主との対話へCMrが繋ぐならば、建築家にとっても良いことでしょうし、逆にCMにはそのような目利きや建築家と対等に議論ができる建築的素養が求められるように感じます。
そのような意味において、私が考えるCMとは、クリエイションとマネジメントの間、という現在地です。皆さまはいかがお考えでしょうか。