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プロジェクトレポート

projectゆめが丘ソラトス新築工事 CM業務

運営シナリオから逆算した地域循環型施設の実現

  • ポイント1 発注段階から運営視点を組み込み、地域循環と子育て支援の施設機能を実現
  • ポイント2 事業者の少数精鋭体制を補完する意思決定運営
熊本 智子
熊本 智子
  • 日建設計コンストラクション・マネジメント株式会社 マネジメント・コンサルティング部門
    ディレクター
    熊本 智子

テーマ1発注者がCMrに求めたことは?

沿線価値向上を実現する
少数精鋭体制でのプロジェクト推進

相鉄いずみ野線「ゆめが丘」駅前に、地域の交流拠点となる大規模な商業施設を開発するプロジェクトです。ESGの視点を取り入れた持続可能な街づくりの実現が重視され、相鉄グループとしては初の郊外型大規模開発として位置づけられました。沿線価値の核となる「食」「アクティビティ」「教育・文化」を軸に、地域の交流を生み出す拠点を、限られた予算とスケジュールの中で確実に実現することが求められました。私たちが参画したのは、基本計画段階にあたる2020年10月、コロナ禍の真っ只中でした。感染対策と事業継続の両立、そして先行き不透明な社会情勢の中で、柔軟かつ迅速な判断が求められる状況でした。発注者である相鉄アーバンクリエイツは少人数体制であったため、企画・設計から施工、テナント調整、開業準備までを横断的に支援できる外部パートナーの存在が不可欠でした。設計・施工一括発注の与件には、発注者の運営方針を明確に反映させることが求められ、開業後の運営を見据えた視点を設計段階から組み込む必要がありました。そのため、CMrには、発注者の意思決定を支える力、発注者の意図を現場へ的確に伝える力、関係者間の合意形成を図る交渉力、そしてプロジェクトの中核方針を揺るがせない判断基準の運用が求められました。私たちは「発注者理念を施設運営へ確実に反映させること」を軸に、各段階での判断と調整を積み重ね、発注者の意図を形にするマネジメントを実践しました。