メルマガ担当より
今回ご紹介するプロジェクトを担当された株式会社昭和設計の古塚様にひとことお言葉を頂きました!
Q:プロジェクト推進体制におけるCMの関わり方、役割の項目を拝見すると、ホテル、フードホール、史料館、事務所と多くの関係者の混在し、尚且つ工事区分等、相当複雑な設計調整が必要と想像されますが、CMとして特にご苦労された点や、発注者から感謝された点等ございましたらお聞かせいただけますか?
A: 築90年超の歴史的建築物を安全で快適に使えるのもとし、ホテルやフードホールなどにリノベーションすることで「収益物件」に変えるプロジェクトでした。また、リノベーション後は重要文化材の指定を受けることも求められました。
苦労した点としては、4年超の長いプロジェクトにおいては数多くありましたが、振り返ると、多くの関係者間の調整が最も苦労した点でありました。全体の設計施工者と各エリアの設計者との調整に加え、ホテル事業者やフードホール事業者とも、発注者の立場で、工事区分や内装の仕様、費用負担区分、資産区分、管理区分の整理・交渉も行いました。事業者との交渉は発注者が負担するコストに直結することとなるので、非常にハードでタフでありました。
また、歴史的建築物の改修の難しさを実感したプロジェクトでもありました。重要文化財指定を視野に入れながら、残すもの、壊すのも、残すが隠すものなど、意匠の重要性と改修プランとの整合を図りながら、発注者、設計者とともに検討を重ねました。検討の際には、当社の元社員でレトロ建築の学識者を紹介し、プロジェクトへの参画と様々なアドバイスをいただきました。
発注者から感謝された点については、先に述べたように、多くの関係者がいる中で、CMが発注者と各関係者の間に入って様々な調整を成し遂げたことについて、評価をいただけたと思っております。発注者からは「CMに居てもらわなければここまで来られなかった」とありがたいお言葉をいただきました。また、設計施工者やホテル設計者からも、「CMがいてくれて非常に助かった」と言っていただき、発注者と多くの関係者の両方からCMの必要性、価値を認識いただけたと感じています。同時に、今後は発注者がこのような複雑な調整・交渉をCMに望むようになることを肌で感じました。
古塚様、丁寧な、ご回答ありがとうございました!
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