メルマガ担当より
プロジェクトをご担当された株式会社プラスPMの矢田様よりコメントを頂きました!
Q:
海外の発注者とフルリモートでプロジェクトを進めるなかで、建設習慣、商習慣などが違う3か国の文化の溝を埋めるという課題に対して、具体的な課題解決や、興味深いエピソード等ありましたらお話を伺えますでしょうか。
また、コミュニケーションマネジメントという言葉にも新鮮さを感じます。遠方の発注者とはリモートでプロジェクトを進める機会は多くなってきたと思います。フルリモートでマネジメントする際気を付けられたことについて、詳しくお話を伺えますでしょうか?
A:
特に注力したのは、異なる文化背景を尊重し、海外(マレーシア/シンガポール)特有の建設プロセスや法的要件への理解を深めることでした。例えば、海外と日本では契約に対する考え方に違いがあります。海外の傾向は信頼しない文化(性悪説)、逆に日本は信頼で成り立っている文化(性善説)です。海外の工事請負契約約款にはPerformance Bond(契約履行保証)やRetention(留保金)が含まれることが一般的ですが、日本の約款にはこれらが含まれず、「紛争が起きたときは話合いで解決する」方針が通例です。このプロジェクトは日系企業が国内で施工するため、日本の約款を使用することが合理的と判断し、発注者に説明を重ね、最終的に日本の約款を採用するに至りました。
一方で、フルリモートでのマネジメントにおいては、リアルタイムコミュニケーションが一層重要となりました。進捗状況や変更点を関係者にタイムリーに共有し、問題が発生した場合は即座に解決策を検討することで円滑なプロジェクト進行が可能となります。リアルタイムのコミュニケーション手段としてメッセンジャーアプリである「WhatsApp」を大いに活用しました。ただし、便利な反面、情報漏洩や見落としのリスクがあり、そのリスクを最小限に抑えるために運用ルールを設けました。
このプロジェクトから得た最も重要な教訓は、異なる文化を尊重し、柔軟性を持ってコミュニケーションをとることの重要性です。日本の概念から解き放ち、合理的な選択を追求することが成功への鍵であると認識しました。
このプロジェクトを通して、CM業務においてコミュニケーションがいかに重要かを改めて実感できました。今回のお話も、メルマガをご覧になっている皆様にとって、CM、そしてCMRの可能性を伺える貴重なものであると思います。
矢田様、ご回答ありがとうございました!
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