「ハコ」を「活かす」マネジメント
阪急コンストラクション・マネジメント株式会社
プロジェクトデザイン部(PMCM)
マネジャー 川崎 恵輔
前職では意匠設計事務所で建物の「かたち」を求めていた私ですが、CMrに転身して約5年が経ちました。当初はマネジメントの専門性を磨くことに四苦八苦してきましたが、大規模イベントのPM業務や地方自治体のCM業務を経験する中で、自身の立ち位置が少しずつ変容してきたと感じています。
最近では、中山間エリアにおける「小さな拠点づくり」のCM業務にとどまらず、施設の運営事業者探しを目的とした官民連携事業の推進や、他自治体のDBOアドバイザリー業務など、PPP/PFI事業に携わることが多くなりました。こうした現場で直面するのは、人口減少地域という厳しい条件下でいかに民間活力を導入し、持続可能な公共機能を維持するかという、建物の枠を超えた切実な問いです。
かつての私なら「建物のディテール」に拘り、いかに美しく納めるかに注力していましたが、現在の私は、設計前から施設運営を見据えた事業スキームの構築や、基本計画の策定、事業者選定のプロセスそのものを大切にしています。行政による従来の「ハコづくり」で終わらせるのではなく、地域に真に必要とされ、活用され続ける「施設づくり」を実現したい。そのために、官民の役割分担を整理し、運営体制まで踏み込んだ上流工程からのマネジメントを模索しています。
設計事務所出身だからこそ分かる現場のリアリティと、CMrとして対峙する事業全体を俯瞰する視点。この両端を往復しながら、多様な関係者の意向を一つの事業として成立させていくプロセスに、今、設計事務所時代とはまた違う大きなやりがいを感じています。まだ道半ばではありますが、発注者の良きパートナーとして、これからの公共の姿を共に描けるよう研鑽を積んでいきたいと考えています。