CM選奨2025審査総評

コンストラクション・マネジメント（CM）に関して優れた成果をあげた業績を対象とするCM選奨2025は、厳正なる審査の結果、CM選奨13件（うち優秀賞5件、特別賞1件）、CM部門賞「まちなかプロジェクト賞」4件が選考されました。

選奨を受けた事例の中で、総合的に優れた成果をあげた業績を優秀賞とし、優れた特徴を持つ業績を特別賞としていますが、両者に優劣はなく、それぞれの事例の背景や稀少さを評価しました。また、より多様なCM事例を広く表彰するためのCM部門賞には、生活関連領域においてCM手法を活用して良好な成果をあげた業績を対象としました。

CM選奨2025への応募件数は17件（10社）で、前回よりは減少したものの、新規性に富む質の高い事例の集まった審査となりました。

第1回審査会は、2024年12月3日に開催され、全ての応募書類が募集要項に適合していることを確認して、書類審査を開始しました。

第2回審査会は、2025年1月28日に開催され、各審査委員による第1次採点の評価を集計し、全ての応募案件について肯定的、否定的立場からの討論を行いました。審査委員の合議による第2次採点の結果、上位13件をCM選奨候補として選考するとともに、特別賞候補を選別しました。さらに、慎重な審議の結果、特別賞候補を含む6件をヒアリング対象に選定し、特別賞についてもヒアリング後に決定することとしました。

第3回審査会は、2025年2月20日に開催され、対面でのヒアリングを実施しました（審査委員の一部はオンライン参加）。ヒアリング結果に基づいて各案件が優秀賞にふさわしいかどうか各審査委員が採点しました。全ての案件について肯定的、否定的立場から審査委員に講評を求め、それらを慎重に審議した結果、5件を優秀賞としました。また、CM選奨候補の中から1件を特別賞として選考しました。優秀賞の中にも特殊な与条件で実施されたプロジェクトが見受けられましたが、今後も同様なプロジェクトが続出すると見込まれることから特別賞とはなりませんでした。CM部門賞への応募は4件でしたが、いろいろな観点からの審議の結果として、審査委員の全員一致で4件をCM部門賞として選考しました。

今回CM選奨に選ばれた事例は、難しい環境条件下で前例のないマネジメントを行い、期待以上の成果を得られたものであり、審査委員として敬意を表します。ますます複雑化、巨大化するプロジェクトでは、CMRだけでなく、他の組織の力をうまく引き出すことが重要と感じました。このCM選奨が、未来のプロジェクトの先鞭となることを期待しています。

CM選奨審査委員会　委員長　　金多　隆