プロジェクトレポート_81_1「サイエンスパークとしてのマルチテナント研究施設の早期実現」

プロジェクトレポート

project湘南ヘルスイノベーションパーク開所支援及びテナント入居対応 CM業務

サイエンスパークとしてのマルチテナント研究施設の早期実現

  • ポイント1 ハードとソフトの2つのマネジメントチームによるプロジェクトの運営
  • ポイント2 発注戦略の工夫により、工期短縮やコストの合理化を実現
宮嶋 聡
宮嶋 聡
  • 株式会社 山下設計 プロジェクト推進部門 副部門長
    プロジェクトマネージメント部 部長
    宮嶋 聡

テーマ1発注者がCMrに求めたことは?

製薬会社単独で使用されていた30万㎡を超える大規模研究施設をマルチテナントのサイエンスパークへ移行し、幅広い業種が集積することによりサイエンスにおけるヘルスイノベーションを加速する場となることを目指すプロジェクトである。

1. 研究中断期間の最小限化と8カ月後のオープンの実現

マルチテナント化のためには、継続して使用されている研究エリアの移転・統合を行い、他のテナントが活用できるスペースを生み出す必要があった。施設を使用しながらの改修工事のため、研究を中断する期間や他のエリアへの影響を最小限にすることが求められた。さらに、ローリングにより改修工事を行うためプロジェクト全体は長期間実施されるが、プロジェクト開始から8カ月で湘南ヘルスイノベーションパーク(以下「湘南アイパーク」)として一部オープンを行う必要があった。

2. マルチテナントのサイエンスパーク実現のための支援

大規模研究所の全面改修によりマルチテナント施設へ移行するため、多くの発注者側のプロジェクト関係者や工事関係者の参加が必要であり、そのマネジメントが求められた。さらに、マルチテナント施設への移行に伴い、セキュリティ計画の見直しや貸方基準・工事保全区分などの作成支援が求められた。

また、サイエンスパークとして幅広い業種のコミュニケーションを促進する場となるためのクリエイティブ・デザイン作成が必要であった

3. 研究部門ごとに厳格なコスト管理

大規模研究施設の全面的な改修のため、工事・移転には多くの費用が必要になりその合理化が求められた。さらに研究部門ごとの厳格なコスト管理が必要なため、改修工事費や移転費用の部門ごとでの明確化と、発注時以降のコスト変更を抑えることも求められた。